| 独房の中で、僕は夜毎夢を見た おだやかな自然がひろがり、人々みんなが互いを思いやって暮らす小さな村。 気のいい人たちとの平凡な時間。 ああ…… これこそ僕が求めていた場所だったんだ。 なのに僕は、理想に背を向けて…他人を傷つけながらもがき続けて…… | |
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それまで知らなかった、人々の暖かさ ごはんの美味しさ もうすぐ失ってしまうそれらを 僕は 夢の中でしっかりと味わった そこでは 僕のねがいは全てかなった 守りたかった小さな花も 願えば 美しく咲いてくれた 目が覚めれば四角く狭い部屋で 独りぼっちだったけれど 僕の魂は 幸せだった |
だけど僕は……赦されるのだろうか? 多くの人を苦しめ、罪を犯した僕なのに たとえ夢の中とはいえ、理想の世界で幸せな時を過ごすことなんて 身勝手すぎるんじゃないだろうか? | |
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わたしには、彼の言っていることが よくわかりませんでした。 それって、わたし達はほんとは 善次さんの夢の中にしか存在しないって ことかしら? おかしな善次さん。 「奈津子ちゃん……僕は怖いんだ。 …僕がいなくなったら…… 君たちも、消えてしまうんじゃ ないかって」 わたしは善次さんを そっと抱きしめました。 「善次さん、大丈夫よ。 わたしはちゃんとここにいるもの」 |
ありがとう。 君の願いが叶うよう 僕も願おう 僕に救いをくれた 小さな女神さまのために。 | |
![]() | それから少しした ある朝 神様が 僕を迎えに来た |
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